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2025-07-02

コロンビアビスタ火災~米松製材工場火災が日本の住宅業界に及ぼす影響と対応~

米松製材工場火災が日本の住宅業界に及ぼす影響と対応

2025年6月30日(現地時間)、米国ワシントン州バンクーバーにあるWestern Forest Products社(WFP)のコロンビアビスタ事業部製材工場で大規模な火災が発生し、製材工場は甚大な被害を受け操業不能となりましたglobenewswire.com。同工場は年間約5,300万ボードフィート(約12万立方メートル)の製材品を生産しており、その製品はダグラスファー(米松)を中心とした高品質材で、日本の伝統的木造住宅市場や米国西海岸市場向けに供給されてきましたglobenewswire.comainvest.com。WFP全体の製材能力(6工場合計約7.8億ボードフィート)の約7%を担う重要拠点であり、特に米松専門工場としての役割から、日本の構造用木材供給において無視できない存在でしたainvest.com。今回はこの火災による米松材供給への影響と、日本の住宅業界(プレカット工場や住宅用構造材市場)への波及、代替調達策、そして過去の類似事例から得られる教訓について深掘りします。

コロンビアビスタ工場の規模と日本向け供給の重要性

WFP社のコロンビアビスタ製材工場は、米国太平洋岸北西部に位置し、高品質な米松構造材の製造で知られていました。2024年には約5,300万ボードフィートの製材品(梁や柱向けの平角材等)を生産しており、その生産品目は日本向けの特殊用途材と米国内向け製材品に特化していましたglobenewswire.com。日本の住宅建築(特に在来工法の木造住宅)では米松材が梁や桁など構造材として広く利用されており、同工場はそうした日本市場向け製品の重要な供給源となっていましたainvest.com。WFP社はブリティッシュコロンビア州(カナダ)およびワシントン州(米国)に複数の製材工場を有し総計約7.8億ボードフィートの製材能力を持ちますが、その中でコロンビアビスタ工場は約7%を占める規模でしたainvest.com。WFP社は日本を含む世界市場向けに高付加価値の北米針葉樹材を供給する大手であり、日本の米松輸入市場でも主要な供給者の一つです。実際、日本が輸入する米松(ダグラスファー)構造材の8割超は北米産であり、その供給の一翼をWFP社が担ってきましたainvest.com。このようにコロンビアビスタ工場は規模以上に日本向け米松材供給の観点で戦略的に重要な位置づけにありました。

火災による米松供給減少とプレカット業界への影響

今回の火災によって、同工場からの米松製材品の供給は当面停止する見通しです。年間数十万立方メートル規模の米松材生産が失われることで、日本の構造用製材市場にも供給ひっ迫が生じる可能性があります。もともと北米産米松材の市場は近年タイトになりつつありainvest.com、単一工場で生産されるニッチ製品に依存するサプライチェーンの脆弱性が指摘されていましたainvest.com。今回のように主要供給源の一つが突発的に停止したことで、その影響は日本のプレカット工場や木材流通にも波及すると考えられます。

まず懸念されるのは供給量の減少による直接的な影響です。日本のプレカット各社は梁や柱用の米松乾燥材(KD材)を安定的に確保することが求められますが、コロンビアビスタ工場からの出荷停止により必要量の確保が難しくなる恐れがあります。特に、同工場の製品は日本向けに強度・品質管理された特殊材(いわゆるJグレード等)である可能性が高く、代替が効きにくい側面があります。供給不足に陥れば、プレカット工場では別の樹種や製品への切り替えを迫られるケースも出てくるでしょう。実際、2023年に茨城県の中国木材・鹿島工場で火災が発生し米松製材品の生産が止まった際には、米松製品に受注制限がかかり、代替として国産の杉や桧の小割材への需要シフトが起きましたsk-shin-ei.com。プレカット業者からは「急遽これまで取引のなかった地域の材木店に問い合わせざるを得なくなった」といった声も聞かれ、原木市場でも製材用の丸太確保に追われる状況が生じましたsk-shin-ei.com。このように供給源の喪失は業界全体の調達ネットワークに負荷をかけ、混乱を招く可能性があります。

ダグラスファー材の代替調達先と供給見通し

供給途絶への対策として、代替調達先の確保が急務となります。北米にはWFP社以外にも米松製材品を扱う企業があり、例えばカナダのCanfor社やInterfor社、あるいは米国太平洋岸北西部の他の製材会社などが挙げられます。しかし、ダグラスファー製材品は北米でも特殊用途の高強度材として位置づけられ、市場全体の供給余力は大きくありません。ainvest.com実際、同業他社であるCanforやInterforであっても即座にこの穴を埋めることは容易ではなく、各社の生産余力や在庫にも限りがありますainvest.com。WFP社自身も他に5つの製材所を持ちますが、それらは主に他の樹種(例えばヘムロックやスプルース等)を扱っており、短期的に米松製材へ切り替えることは難しいとみられますainvest.comainvest.com。

このため、日本の輸入商社や木材問屋は他地域・他社からの調達を模索することになるでしょう。候補としては、米国オレゴン州やカリフォルニア州産の米松製品、カナダ内陸部の製材所からの調達、あるいは日本国内での米松ログ(原木)輸入・製材による対応などが考えられます。実際、前述の鹿島工場火災の際には、中国木材社がグループ内の他工場で米松ログを挽く等の対応策を講じていますsk-shin-ei.com。もっとも北米全域で見ても近年は森林火災や環境規制の影響で針葉樹材全般の供給量が減少傾向にあり、日本向け輸出に振り向けられる余剰が潤沢とは言えませんwood-chuubunouzai.com。したがって、代替調達先は存在するものの供給量には限界があり、需給逼迫は避けられない可能性があります。

供給見通しとしては、コロンビアビスタ工場の再開時期が不透明な中、少なくとも数ヶ月から半年程度は米松材の世界的な供給量が目減りする公算です。WFP社は現在、被害状況の調査と復旧計画の検討を行っていると発表していますが、復旧には相当の時間がかかる可能性があります。2023年の鹿島工場火災では、発生から約3ヶ月後の同年12月時点でようやく従来比7割程度の供給回復を目指す状況でしたkouzou-keisan.com。同工場も最新設備を擁する大規模製材所であったことから、復旧・再建には時間とコストを要しました。コロンビアビスタ工場の場合、海外(米国)の工場とはいえ類似する工程を持つと考えられるため、少なくとも年内いっぱいはフル稼働再開は困難との見方も出ています(現時点で正確な復旧計画は未定)。この間、日本向けの米松材は他からの融通や在庫放出でしのぐ必要がありますが、調達担当者は平時以上の情報収集と早めの手配が求められるでしょう。

日本の住宅業界への価格・納期面の影響

米松材の供給逼迫は、日本の住宅業界における価格と納期にも影響を与える見込みです。まず価格面では、需要に対して供給が減ることで市況の上昇圧力がかかるのは避けられません。実際、2023年の鹿島工場火災の際には、米松製材品の価格が火災後わずか1〜2ヶ月で急騰しました。九州地区の市況報告によると、米松製材品(KD平角・小割など)は火災前月比で立方メートルあたり3,000〜5,000円もの値上がりとなりsk-shin-ei.com、代替とされた米松グリーン材についても同程度の上昇が見られましたsk-shin-ei.com。さらに、米松材から集成材(グルラム)への需要転換が起こった結果、集成材の需要・価格も高騰していますsk-shin-ei.com。鹿島工場の火災後、9月中旬以降に米松製材の不足分を補うべく集成材への引き合いが増え始め、10月には一気に需要が拡大、11月までその勢いが続きましたsk-shin-ei.com。しかし国内外問わず集成材の生産量は急には増やせず、品薄感から値上げ基調が強まっていますsk-shin-ei.com。実際、国産・輸入を含めた構造用集成材の価格は同年11月までに平米あたり1,000〜2,000円上昇しましたsk-shin-ei.com。このように特定工場のトラブルは関連する他商材にも連鎖的に影響し、市場全体で木材価格の高騰を招きかねない状況です。

納期面でも、調達困難による工期遅延のリスクが高まります。プレカット工場が必要な寸法の梁桁材を確保できなければ、住宅建築の工程に遅れが生じる可能性があります。特に注文住宅や在来工法住宅では、構造材の手配遅延は着工スケジュール全体に波及します。今回の火災を受け、プレカット各社や工務店は在庫や仕入れ先の再確認を進めており、必要に応じて他樹種への代替(例えば国産杉材や米栂(ベイツガ)材、欧州からの集成材調達など)も検討し始めています。ただし代替材に切り替える場合でも、構造計算上の強度確認や建築確認の変更手続きなどが発生し得るため、安易な変更はできません。そのため、計画中の物件では早めに材種変更を織り込んだ設計検討を行う、着工直前の案件であれば樹種変更に伴う許認可手続きについて事前に確認しておく、といった対応が望まれますkouzou-keisan.com。構造計算上は強度等級が同等以上の樹種であれば断面を調整することで代替可能ですが、弱い材への変更は断面増積や計画変更を要しますkouzou-keisan.com。したがって現場では、無理な調達やギリギリの工程管理は避け、余裕を持った発注と代替案の確保が肝要です。

価格高騰について補足すると、木材市場は近年ウッドショックや円安の影響もあって上昇傾向が続いてきました。2021年前後の「ウッドショック」(コロナ禍による米国需要急増・物流混乱)では、日本でも輸入材価格が急騰し住宅業者を直撃しましたが、その後もロシアのウクライナ侵攻による木材禁輸(ロシア産カラマツ材の合板原料・LVL原料が停止)など逆風が相次ぎ、未だ完全に落ち着いていないのが実情ですkouzou-keisan.com。今回の米松材供給トラブルは、そうした状況下でさらに追い打ちをかけるものと言え、一時的な価格急騰だけでなく慢性的なコスト増要因として業界に重くのしかかる懸念があります。特にプレカット工場など中間業者では、仕入れコスト上昇分をすべて住宅会社やエンドユーザーに転嫁できず、自社で抱え込んで苦戦する事例も少なくありませんsk-shin-ei.com。実際、昨年秋頃の市況では木材価格が全般的に上昇基調となる中で、「住宅会社に値上げ分を転嫁できず厳しい」というプレカット側の声が報告されていますsk-shin-ei.com。このため、住宅メーカー・工務店も仕入れ価格動向に注視し、必要に応じて見積もりや請負価格の見直し、施主への丁寧な説明を行うなどの対応が必要でしょう。

過去の類似事例と日本国内への影響

木材業界ではこれまでにも製材工場の火災や供給トラブルが発生し、その都度日本国内の市場や建築現場に影響が及んだ事例があります。前述の2023年8月末~9月の中国木材・鹿島工場の火災は記憶に新しいでしょう。同工場は国内最大級の製材設備を持ち、北米から輸入した米松・米栂のログを加工して柱や梁の製材品を生産していました。それだけに火災による生産停止の影響は大きく、国内の米松材供給が一時的に大幅減少し、市場が混乱しました。中国木材社は火災直後から在庫放出や他拠点での代替生産、海外からの追加調達などに努めましたが、それでも追いつかず受注制限をかけざるを得ない状況でしたsk-shin-ei.com。この結果、国内の需要家は国産材や他の輸入材へ急遽シフトする動きを見せ、杉や桧の製材・集成材に追加注文が殺到する一幕もありましたsk-shin-ei.comsk-shin-ei.com。価格も先述の通り大きく上昇し、プレカット工場・流通業者・住宅会社のそれぞれが対応に苦慮しました。

さらに遡れば、1990年代初頭にもいわゆる**「第一次ウッドショック」と呼ばれる事態がありました。米国で環境規制により北米針葉樹の伐採・輸出が制限された影響で、日本向けの米材(米松・米栂など)供給が急減したのです。この時も国内木材価格が急騰し、在来工法住宅のコスト増や着工遅延を招きました。当時は現在ほど国産材活用も進んでおらず、輸入木材依存のリスクが強く認識される契機となりました。近年では2021年のウッドショック(第二次ウッドショック)で米材だけでなく欧州材や集成材までも含めた世界的な需給逼迫が起こり、日本の住宅業界は大きな打撃を受けていますkouzou-keisan.com。このように海外に依存した木材調達のリスク**は過去何度も顕在化しており、各社とも教訓を踏まえた備えが求められます。

一つの教訓は、多角的な調達先の確保と在庫戦略の重要性です。過去の事例では、単一の国・地域や特定工場への依存が高いほどトラブル時の影響が深刻化しました。プレカット企業や木材輸入商社は、平時から複数の仕入れルートを持つ、国産材や他樹種も組み合わせてポートフォリオを構築する、一定の在庫を戦略的に維持する、といったリスク分散策を講じる必要があります。また、住宅会社側も仕様の柔軟性を確保しておくことが大切です。例えば梁せい(梁成)を多少増やしても国産杉で代替できる設計とする、集成材やLVLへの変更も織り込んだプランニングをする、といった工夫です。構造計算上問題がない範囲で選択肢を増やしておけば、いざ主要材の調達が困難になった場合でも対応の幅が広がりますkouzou-keisan.com。

最後に、情報共有と業界全体での協力も欠かせません。原木から製材、プレカット、住宅施工に至るバリューチェーンの各段階で、需給ひっ迫時には価格情報や在庫状況、代替材の供給可能量等を迅速に共有し、パニック的な買い占めや過度な投機的値上がりを防ぐ努力が必要です。行政や業界団体による市況モニタリングと情報発信、需給調整の促進策も有効でしょう。幸い、今回のコロンビアビスタ工場の火災では人的被害はなくglobenewswire.com、企業も早期に事態を公表して対策検討に入っています。日本の住宅業界関係者もこの動向を注視しつつ、自社の調達計画や現場施工計画を点検し、必要な手当てを講じることが肝要です。過去の教訓を活かし、目先の危機を乗り切るとともに、中長期的にはサプライチェーンの強靱化に取り組む契機と捉えたいところです。

弊社では、国産材をメインに取り扱っているため地元製材企業とのサプライチェーンが築かれていますが
やはり、米松の使用も避けては通れないため、代替品として
カナダツガか!?
タグ: DF, Western Forest Products, コロンビアビスタ火災, ダグラスファー材, プレカット材調達, 住宅建築コスト, 住宅業界ニュース, 木材価格高騰, 木材市場動向, 木造住宅建築, 構造材供給リスク, 米松, 米松供給影響, 製材工場火災
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